【性病治療】抗生物質を正しく使おう【予防薬ではない】

こんにちは!河口将太ですです

先日、梅毒についてお話しいたしました

梅毒が急増!現状と対策とは

定期的に検査に行かず出勤を続けたり

風俗店通いを続けたり
不特定多数の人々と性接触をした結果、

性感染症はみるみる拡がっていきます

 

もう一つ気をつけていただきたいのが、

 

性感染症を予防する目的で
抗生物質を常用する人がいる、とのこと

 

そもそも抗生物質は
細菌感染の治療に用いるお薬です

近年、抗生物質が効きにくい薬剤耐性菌が
国際的に問題になっています

 

抗生物質とは

風邪をひいた時、通院すると抗生物質を
処方されることがあると思います

 

抗菌薬は細菌を殺したり鎮めたりして、
感染症を治療する薬です

 

抗菌薬は、人間にとって
そこまで大きな毒性はありませんが、

細菌にとっては猛毒です

 

そのため、細菌は
あの手この手でその毒から
逃げ延びようとします

 

抗生物質の種類

抗生物質は、
作用の仕方から主に以下の7種類に分類されています

 

ペニシリン系抗生物質
セフェム系抗生物質
カルバペネム系抗生物質
マクロライド系抗生物質
 テトラサイクリン系抗生物質
アミノグリコシド系抗生物質
ニューキノロン系抗生物

 

ジスロマックの有効成分アジスロマイシンは、
マクロライド系抗生物質に該当します

 

 

風邪はウイルスによって引き起こされるため抗生物質は不要

風邪の一部は
細菌感染を伴うこともありますので有効ですが、

 

基本的に風邪はウイルス感染症です

 

ウイルスは細菌とは異なり、
抗菌薬が効かない微生物です

 

つまり風邪に抗菌薬を使用しても、
効果はないのです

 

そればかりか抗菌薬により、
耐性菌が体内に出現することにつながります

 

 

耐性菌問題がG7サミットなどで議題となるほど

近年は耐性菌が世界中で問題となっており、
G7サミットなどでも議題となるほどです

 

菌が抗菌薬に
どんどん強くなってきている一方で、

抗菌薬の開発は進まず、
従来の薬を現場では使用しています

 

耐性菌が増え続けると、
感染症に抗菌薬が効かなくなる恐れがあるのです

 

細菌感染症に限定して
必要な抗菌薬を使用することで、
耐性菌の出現を最小限に抑えることが出来ます

 

 

薬剤耐性(AMR)(Antimicrobial resistance)とは

薬剤耐性(AMR)とは、抗菌薬が効きにくくなる、
または効かなくなることです

 

マクロライド系抗生物質は
使い勝手が良いことから、

乱用や不適切な使用をされてきた経緯があり
マクロライド耐性菌が
特に問題視されているそうです

 

耐性菌が増えると、
抗菌薬が効かなくなることから、

これまでは感染、発症しても
適切に治療すれば軽症で回復できた感染症が

治療が難しくなって重症化しやすくなり、
さらには死亡に至る可能性が高まります

 

薬剤耐性はこうして生まれる

私たちの日常ではどのような場面で
薬剤耐性が起こるのでしょうか

抗菌薬はそもそも、
細菌による感染症の治療に使う薬です

 

先ほど述べたように普通の風邪など、

ウイルスによる感染症には、
抗菌薬は効果がありません

 

細菌感染症と判断して投与された抗菌薬は、
病気の原因となっている細菌だけでなく、
さまざまな細菌に効きます

 

例えば抗菌薬を使うと、
ヒトの腸にいる非常に多くの種類と数の細菌のうち

抗菌薬が効く菌だけが死滅し
効かない菌(薬剤耐性菌)が生き残ります

 

生き残った薬剤耐性菌が増えて
なんらかの感染症を起こせば
抗菌薬が効かない菌なので、
治療に困ることになるかもしれません

 

どんなに注意しても抗菌薬を使うと
耐性菌が生じる可能性がありますので、

 

抗菌薬を使う機会を
本当に必要なときだけに絞り込み、

必要のないときは使わないことが
薬剤耐性菌対策にはとても大切です

 

薬剤耐性菌を生み出さないためにも、
抗菌薬はしっかりと注意事項を守って
服用しましょう

 

 

クラミジア・淋病・梅毒は細菌によって引き起こされる

クラミジア、淋病、梅毒は、
すべて細菌によって引き起こされます

 

通常は抗生物質で治療することができます

 

しかし、多くの場合
これらの性行為感染症にかかっても
自覚症状がないからといって

通院・治療せず放置されたり
いくつもの抗生物質が誤用や乱用された結果、

治療が失敗し、
治療は以前よりも難しくなってきています

 

毎年推定で、

1億3,100万人がクラミジアに、

7,800万人が淋病に、

560万人が梅毒に感染しています

 

薬剤耐性のため治療が困難になりつつある現実

近年、これらの性行為感染症への
抗生物質の効果に対する耐性が
急速に増加してきており、
治療の選択肢が減っているそうです

 

3つの性行為感染症のうち、
淋病は抗生物質に対して
最も強い耐性を発展させました

 

使用できるどんな抗生物質にも
効果を示さない多剤耐性淋菌株が
既に検出されています

 

また、あまり頻繁ではありませんが
クラミジアや梅毒における
薬剤耐性も存在するそうです

 

抗生物質が効かなくなっている

淋菌(Neisseria gonorrhoeae)という
細菌の感染により引き起こされる淋病は

性的な接触によって広まる性感染症です

 

出産時に母子感染することもあり、
その場合は目が侵されることが多いそうです

 

感染しても症状が出ないことも多いようですが

症状がある場合は、

排尿時の痛み、性器からの異常な分泌物、
性器周辺の痛みなどが見られます

 

治療せずに放置すると、
不妊症や骨盤腹膜炎になることがああります

 

抗体はつかず、
治癒後に再感染することもあります

 

昔からある安価な抗生物質は、
誤用され、過剰に使用されてきたせいで
今では効かなくなっています

 

最も一般的な性感染症である
淋病、クラミジア感染症、梅毒のうち
抗生物質耐性が最も強まっているのは淋病です

 

抗生物質を乱用することによる弊害

 

抗生物質耐性が強まっている現実をお話ししましたが
それ以外にも様々な弊害があります

 

抗生物質は腸内細菌をも死滅させてしまいます

するとどうなるかというと、
善玉菌が死滅することにより
体の免疫力が低下してしまい

 

ありとあらゆる感染症を引き起こしてしまう事も
あるというのです

最悪、免疫力によって防げたはずの梅毒にも
感染し発症させてしまう恐れもあります

 

スーパー細菌との戦い

淋菌は、
抗生物質が効かないスーパー細菌
なりつつあるのではないかと懸念されています

 

米国では毎年200万人が
抗生物質耐性菌に感染していて、
そのうちの2万3000人が死亡しているそうです

 

抗生物質の使い方は改善していません

抗生物質はウイルスではなく
細菌と戦うためのものです

 

必要のないときに抗生物質を用いるたび、
抗生物質への耐性を高めてしまっているのです

 

細菌は自分の身を守るために、
抗生物質を破壊する能力を獲得しました

 

さらなる変異によって、
細菌は抗生物質を不活化する酵素を
作れるようになるかもしれません

 

あるいは、抗生物質が攻撃しようとする標的を
排除してしまうかもしれません

 

治療せず放置するとどうなるか

診断を受けず、治療せず放置すると

骨盤内炎症性疾患、子宮外妊娠、流産など、
女性への重大な合併症や長期にわたる
健康上の問題を引き起こすことがあります

 

淋病やクラミジアは、
男女ともに不妊の原因となることもあります

 

また、クラミジア、淋病、梅毒への感染は
HIVへの感染リスクを2倍から3倍に高めます

 

妊婦で性行為感染症を治療しないままにすると
死産や新生児死亡の可能性を高めます

WHOの生殖器の医療および研究の部門長
Ian Askewは、

「クラミジア、淋病、梅毒は、
世界における重大な公衆衛生上の問題であり、
数百万もの人の生活に質的な影響を与え、
深刻な病態や、時には死を招きます

WHOの新しいガイドラインはその拡散を減らし、
性生活および生殖器の健康の向上を図るために
これらの性行為感染症に対して適正な抗生物質、
適正な用量、適正な回数を用いることの
必要性に重点を置いています

そのためには、国の医療サービス体制の中で
国内におけるこれらの感染症の
薬剤耐性パターンを監視する必要があります」

 

と述べています

 

 

抗生物質を処方された際の注意点

決められた日数を飲み切らなければ、
薬剤耐性菌発生のリスクが高まります

 

症状が良くなったからといって
自己判断での服用中止は避け、
最後まで飲みきってください

 

まとめ

予防のために、といって抗生物質
むやみに抗菌薬を使用するのは
治療を困難にさせる恐れがあり、
医師の処方外で自己判断で服用するのは
絶対に控えましょう

 

また、処方されたら症状が無くなったからと言って
自己判断で服用中止は避けて
最後まで飲みきりましょう

 

風俗のお仕事は、自分が気をつけていても
お客さまが知らず知らず感染していて
持ち込むケースがほとんどです

 

不安な気持ちがあるならば、
抗生物質を服用する前に
心配なときに検査キットを使ったり
思い切って通院してみましょう



最後までお読みいただき、

ありがとうございました!